VIXが高いとアセットクラスに関わらず暴落する
昨日、Bloombergにこのような記事が投稿されました。
VIXが31を上回ると株式のリスクヘッジ商品であった債券や金も売られる(=現金化される)ようになるので、今はとても投資できる状況ではないという内容です。
実際のところ、債券や金が売られているというのは私も感じているところです。
例えば以前にレイ・ダリオ式ETFとしてご紹介した『RPAR』。
株式以外にも債券や金、商品を組み込んだポートフォリオとなっており、異なるアセットクラスに分散がされているETFです。
しかしながら、VIXが常に31を超えるようになった3/9以降下落が続いています。
今のマーケットは混乱状態で、積立投資家が下手追加投資したりすると大やけどしそうです。
なので、私は今月も購入額を変えずS&P500を積み立てました。
安いときは沢山買えたと喜ばないといけないですね。
ダウ下落・VIX上昇
題名通りですが、ダウとVIX指数の動きを見ていきたいと思います。
ダウ
とうとう直近2年分のチャートではプラスにならないくらいの下げとなってきました。
この1週間での上げ下げの数字ですが、
9日(月曜日) ▲2,013
10日(火曜日)+1,167
11日(水曜日)▲1,464
12日(木曜日)▲2,352(過去最大の下げでした)
13日(金曜日)+1,985(過去最大の上げ)
16日(月曜日)▲2,997(▲12.93%!)
と、乱高下を繰り返しており、16日は改めて下げ幅過去最大を記録しました。
完全なリスクオフムード。
トランプ大統領もついに神頼みでしょうか?
God Bless the USA!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2020年3月16日
VIX
ダウとは対照的に大幅上昇なのがVIX。
投稿時点で82ポイント台まで急上昇。
グラフではリーマンショックを越えているように見えますが、リーマンショックの最高値は89です。そのためまだ上振れていませんが時間の問題でしょう。
今日の日経平均も大荒れ予想ですね…
『利回りの順序リスク』で悪夢を見る可能性(1)シミュレーション編
以前に、アメリカで流行る『FIRE』という考え方を紹介しました。
その際に、リタイアした後の資金については『利回り7%で、引き出し4%くらいならリターンが引き出し率を上回るので安心だ』と書きました。
確かに、上記は一見すると正しい話だと思うのですが、よくよく考えると捉え切れていないリスクがあることに気づきました。
それは『利回りの順序リスク』です。
資産を増やす場合であれば、1年単位でリターンのばらつきがあったとしても、数十年で平均すればばらつきは小さくなり、着実に増やすことが出来ます。
一方で、資産を使っていく場合はそうとは限りません。
リタイア後にすぐに暴落が来てその後好調な相場になった場合、どうなるのか?
逆に、リタイア後は好調な相場が来て、一定時間後暴落が来た場合どうなるのか?
それをシミュレーションしていきます。
『利回りの順序リスク』とは
利回りの順序リスクとは、退職後の初期に投資で大きな損失を被った場合、後でその損失をカバーできたとしても、退職後資金が底をついてしまうリスクです。
上記のリスクを実際にシミュレーションしてみましょう。
シミュレーション
前提条件
2つのパターンA・Bを想定します。
パターンAは先に損失を出す場合、パターンBは後に損失を出す場合です。
また、条件はいずれも
・初期投資額:5,000万円
・運用期間は20年
・平均利回りは20年間でほぼ同じ(約8%)
とします。
投資額から引き出しを行わないで20年間運用した場合のシミュレーションが下記です。
20年後の最終資産額はほぼ同じです。
それでは、上記のパターンから毎年5,000万円の4%である200万円を引き出してみます。
シミュレーション
すると、下記のような結果になりました。
パターンA(先に損失)の場合、貯蓄した5,000万円は10年程度で底をついてしまいます。
それに対して、パターンB(後に損失)の場合は順調に資産を増やし続けることが出来ました。
このように、資産を増やすフェーズでは時間によってリスクを軽減できた『利回りの順序リスク』も、資産を使うフェーズではリスクを軽減することが出来ません。
まとめ
『FIRE』の考え方(=アーリーリタイア)が流行しています。
アーリーリタイア後は、蓄えた資産を使っていくことになりますが、そこで直面するのが『利回りの順序リスク』です。
使い始めて先に損失を出すのか、後に損失を出すのかで資金が底をつくかどうかが変わってきます。
それでは、『利回りの順序リスク』を減らすにはどうすれば良いのでしょうか。
次回はそのリスクヘッジ方法を考えていきます。
参考文献です。
稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせよう
毎朝、スマートフォンの通知履歴に「過去最大の下げ幅」というのが連発するようになってきました。
3/12のダウ平均株価は2,350ドル下げ(前日比▲9.99%!)です。
寄り付きで、3/9に発動したばかりのサーキットブレーカーが改めて発動する状態。
証券口座をマネーフォワードに連携しているのですが、朝アプリを立ち上げるのが辛くなってきました…
このような市場環境の中、なるべく心を安定させて過ごしたいもの。
価格が下がる銘柄を保有している場合、マーケットから退場せずに持ち続けるべきなのか、すべて処分するべきなのかと悩むところです。(主に長期投資家)
悩ましい時は、投資の名著に答えを求めるのもありかと。
今回は、チャールズ・エリスの名著『敗者のゲーム』から「稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせよう」について書いてみます。
収益率が高いのは、マーケットが大底から回復したとき
誰もが乱高下する相場で大当たりを狙いたいもの。
特に収益率が高いのが、市場が大底から回復する最初の1週間と言われています。
多くの投資家が売り買いのタイミングを狙って取引します。
しかしながら、デイトレードは多くのプロが集う場所であるのに加えて、取引回数が増えると手数料が、売買益が出ると税金がかかります。
その結果、上がるタイミングに持ち金をゼロにしてしまいその機会を逃してしまいまうことも。
そのため、長期的に上昇傾向にあると自ら信じる銘柄は頻繁に取引するよりも、マーケットが底値を打つまで持ち続けるのが良いのではないか、と考えます。
上昇したタイミングで市場に居合わせないと悲惨な結果に
収益率が最も高いのが底値を打った時で、そのタイミングで市場に居合わせないとリターンがどうなるのか。
図は1980年〜2008年で、ベストな日に市場に居合わせなかった場合、年率リターンがどうなるのかを示したものです。
28年(=10,220日)のうち、市場に30日(全体の0.5%)居合わせないだけで11.0%得られたはずのリターンが5.5%と半減してしまいます。
激しい下げ相場に遭遇してパニックに陥り、上記のような最大の上げ相場に参加する機会を失うのではなく、「稲妻が輝く瞬間」に市場に居合わせるため保有し続け上りを待ちましょう。
まとめ
長期投資を考える人にとっても、大きく下がる相場では取引したくなるもの。
ただ、過去の事例からも、頻繁な取引は手数料や税金が取られる上、手持ちが無くなったタイミングで上昇相場を逃す可能性があります。
なので、稲妻のような上昇相場が来るときに市場に居合わせられるよう、相場タイミングで過度の取引をするのではなくホールドが望ましいと思います。
GLAY 『REVIEW II』発売開始、と思ったら見つけた2.5?
GLAYの『REVIEWⅡ』が昨日発売開始されました。
私はAWAの配信サービスで全曲ダウンロードしました。
過去記事で、GLAYに対する自分自身の考え方が古く、ここ10年で進化したGLAYについていけていない話を書きました。
とは言え、やっぱりなんといっても90年代のGLAYが好きなんですよね…
なので、DISC1(TERU's select)とDISC2(TAKURO's select)に好きなナンバーが入っています。
特にDISC2なんかはリミックスされた過去の曲が入っているので、個人的には新鮮です。
ところで、AWAでダウンロードした際に、1つ気づいたことが。
『REVIEWⅡ』以外に『REVIEW2.5』というアルバムが!
どうやらこちらはREVEWⅡ発売前に急遽配信決定されたもので、REVIEWⅡに収録されていないものの、追加で入れる場合の曲、とのことで選曲されたようです。
その中で気になったのが、「都忘れ」。
アルバム『BELOVED』に収録されたバラードです。
『BELOVED』は外せないな、と改めて感じました。
関連記事です。
上記記事と似ているのですが、歌詞の違いの観点で書いています。
REVIEWⅡのCMに北川景子が出ていましたが、その理由を考えます。
原油先物大幅安 OPEC決裂なのに原油増産理由を考えます
最近のアメリカ株安はコロナよりもむしろ原油安によるものが強いとのことです。
コロナウィルスの感染拡大に伴い世界の原油需要が減少するとの見方が強まってきました。
それに伴い、OPECとOPEC非加盟国で構成される「OPECプラス」が対策を協議してきました。
そこでOPEC側(主導はサウジアラビア)が減産幅の拡大を訴えたのに対して、OPEC非加盟国であるロシアが減産幅を現行通り実施すると訴え、両者で折り合いがつかず決裂。
それによる不安感から原油先物に売りが殺到し、現在も40ドルを割る状態が続いています。
ところで、個人的に分からなかったのが、この会議終了後にサウジアラビアが増産を表明したことです。
需要減少の状態で増産をすれば価格は下がるのでサウジアラビア側に大きなメリットも無いはず。
需要減少局面での増産の狙いを見ます。
原油シェア1位はアメリカ
私が小・中学校の頃であれば考えられない話なのですが、今やアメリカが原油生産1位となっています。
理由は、2010年代からのシェールオイル増産に伴い原油生産を急拡大したためです。
これにより、産油国であるロシアやサウジアラビアを抜き、2019年には原油生産1位に躍り出ました。
アメリカがシェアを伸ばすのが面白くないロシア?
それに対して、シェアを奪われたロシア。面白いわけもありません。
「原油市場のシェアをアメリカのシェール企業に奪われるだけ。」
ロシアでは国内石油企業が減産の大幅拡大に対して反対を行ったため、今回の協議を見送ったとのこと。
決裂して方針転換のサウジアラビア
そこに、OPECのスイングプロデューサー(需給調整役)のサウジアラビアも続きました。
調整する役割を放棄し、自らもシェア拡大を狙う動きを見せたわけです。
これはサウジアラビアのお国事情も関係していると考えます。
サウジアラビアは世界最大の利益企業(そして国営企業)であるサウジアラムコを保有しているのですが、OPEC決裂後に株価が大きく下落。
これによりIPOでサウジアラムコを購入した個人投資家は含み損を抱えることになりました。
そこで、今後の海外展開を見通して拡大路線に踏み切ったのではないかと考えられています。
まとめ
アメリカの原油シェアがシェールオイルによって高まっています。
それをよく思わないロシアと、決裂して方針転換したサウジアラビア。
最終的にはロシアが折れると言われておりますが、引き続き動向を見守りたいと思います。
マーケットが記録的1日だった3月9日を振り返る
3月9日は色々な意味で記録ラッシュのマーケットでした。
日本とアメリカ、それぞれ振り返っていきます。
日本
日経平均
日経平均は一時1,200円以上の下落。円高が進み株安を助長する結果になりました。
最終的に1,050円程度の値下がりとなりましたが、これは値下がり額でトップ20に入る下げです。
円高に関しては、午前中に北朝鮮がミサイルを発射した時に若干動いたため、過去に見られた「有事の円買い」の動きがまた表れている印象です。
アメリカ
ダウ
夏時間が始まって早々の悲劇でした。
S&P500が7%以上の下げを見せたため、サーキットブレイカーが発動。一時的に取引が出来ない状態が発生しました。
下げ幅は驚きの2,000ドル。過去最大です。
また、証券会社のサーバーが相次いでダウン。
GMOやSBIなどで取引が出来ない状態が発生しました。
感想
いずれも、歴史に残るような相場でした。コロナウィルスの影響によるものです。
日本国内ではコロナウィルスによる死者は少ないですが、今後経済的な死者が発生することを懸念しています。
さて、悪いニュースばかりだと気分が荒みそうなので、上げ相場の画像を上げておきます。
米国20年債が好調です。