お金と数字と温泉を考えるブログ

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デルタ法

 Wは自由度mのχ二乗分布に従う。そのとき W \sqrt{W}の期待値と分散を求めよ。


 Wの期待値と分散は E(W)= m, V(W)= 2mな訳ですが、
χ二乗分布の確率密度関数を用いて \sqrt{W}の期待値・分散を求めるのは面食らいます。
(というか普通に計算できる自信がありません)
このように、複雑な確率密度関数の期待値・分散を求める際に役立つのがデルタ法です。

流れとしては、確率密度関数をTaylor展開して近似し、それを使って期待値・分散を求めます。

 x=a周りでのTaylor展開は下記のように表すことができます。
 \displaystyle f(x)= f(a)+\frac{f'(a)(x-a)}{1!}+\frac{f''(a)(x-a)^2}{2!}+・・・
今回1次の近似だけを用いることとし、これを x=μ周りで両辺に期待値・分散を取れば、
 \displaystyle E(f(x))= f(μ)+\frac{f'(a)E(x-μ)}{1!}=f(μ)
 \displaystyle V(f(x))= \frac{(f'(μ))^2}{(1!)^2}V(x)
これを用いれば、
 \displaystyle E(\sqrt{W})=\sqrt{m}
 \displaystyle V(\sqrt{W})=\frac{1}{2}
と求まります。尤も、初見で解ききれる自信は無いですね。
この例題集はほかにもブラウン運動ベイズのギブス・サンプリング法など幅広く(幅広すぎではないか?)
出題されており、とにかくカバーしないといけない範囲が膨大です。
後2か月ですが、取れる問題を落とさずに進めていきます。