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株の上げ下げに騙されない-『ミスター・マーケット』に踊らされるな-

FRBの短期国債買い入れ縮小?

昨日の夜、アメリカのFRB議長であるパウエル氏は、2019年10月から続けていた短期国債の買い入れを縮小する可能性を示唆しました。
www.nikkei.com

国債の買い入れは、マーケットに資金を流す役割を果たしていたため、事実上の「量的緩和」と言われていました。
量的緩和によりその資金が株式市場に流れたのか、確かに2019年10月以降アメリカの株式市場は好調でした。
それを中断するという発言が飛び出したわけです。

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アメリカのSP500は確かに2019年10月より上昇

新型肺炎の懸念もあり』

一方で、パウエル議長は、新型肺炎による経済への影響を懸念しているようであり、国債の買い付けを終了したとしても、景気が悪化すれば再び購入を再開するという見立てもあります。
国債の購入継続か、終了か、どちらに転ぶか分からないわけですね。
新型肺炎の状態など見通せないし、かと言って買い入れを縮小する可能性を否定することも出来ない…心の中を惑わすかのようなすっきりしないニュースですね。

『ミスター・マーケット』に踊らされず、どっしり構えよう

アメリカの投資家 チャールズ・エリスの著書『敗者のゲーム』の中で、短期的な相場の動きを『ミスター・マーケット』と名付けたベンジャミン・グレアムの著書の記載を借りて、以下のように記しています。

ベンジャミン・グレアムの古典的名著『賢明なる投資家』よれば、ミスター・マーケットは精神的に不安定で、感情的な行動を取りがちだ。有頂天になったかと思えば、落ち込んで絶望的な気分に浸ってしまう。…ミスター・マーケットが楽観的な時も悲観的な時も、実体経済においては、財やサービスは普段通り生産され流通する。長期投資で成功するには、ミスター・マーケットに惑わされずに、しっかりと自分の投資政策を堅持しなければならない。

FRBの動向といった、株価を大きく動かす可能性があるニュースでは、どうしても一喜一憂しがちです。しかし、過去のアメリカの傾向から見て、株価が大暴落する可能性というのは非常に低いわけです。
投資を行う際は、日々の小さなニュースに心を惑わされることなく、どっしりと構えておくことが重要であるな、と学ばされます。

敗者のゲーム〈原著第6版〉

敗者のゲーム〈原著第6版〉