『総裁談話』で株価は上昇したが、長続きしないと思う
今日の日経平均は、寄り付きにおいては下落局面で始まりましたが、日銀の黒田総裁の『総裁談話』発表後に株価は上昇し、結果1%程の上昇で終了しました。
ただ、個人的には特に楽観できる内容の発表には思えませんでした。その理由を下記に示します。
『金融市場調節』や『資産買入れの実施』としか言っていない
改めて、総裁談話を見てみます*1。
最近の内外金融資本市場では、新型コロナウイルス感染症の拡大により経済の先行きに対する不透明感が強まるもとで、不安定な動きが続いている。
日本銀行としては、今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資産買入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針である。
『適切な金融市場調節や資産買い入れの実施』と書いています。政策金利を下げるとは言っていません。
円高牽制も、効果が表れず
『総裁談話』を出す少し前、金曜日にアメリカのFRBが追加利下げを表明しました。
www3.nhk.or.jp
それを受けて、アメリカマーケットは急激にドル売り、円買いに流れ、2円近く円高になりました。
円高は、株価にとって悪影響です。というのも、日経平均株価に組み込まれている企業に輸出企業が多いことから円高は業績悪化に繋がりかねないからです。
また、リーマンショック以降日本では円が70円台にまで上昇したことがあり、国民全体に『円高=悪』のイメージがあるという意見もあります。
このように、円高は日本全体に悪影響を与える可能性があるため、『総裁談話』によって牽制を掛ける狙いがあったというのが市場関係者の考えです。
為替の反応薄
しかしながら、為替の反応は薄く、発表後、一時的に円安に向かいましたが再び円高に。